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「このポータブル電源、冷蔵庫を何時間動かせるの?」ーー点検の現場でもよく聞かれる質問です。私も自分の家で何度も計算し直しました。この記事では容量(Wh)から時間を逆算する考え方だけに絞ってお話しします。
冷蔵庫の「消費電力」はカタログのW表示では計算できない
シャープの冷蔵庫SJ-GW35G(350L)は、定格消費電力が電動機90W・電熱装置131Wです。ところが年間消費電力量は340kWh/年。1日あたりに直すと約38.8Wしか使っていません。定格のW表示は、コンプレッサーが全力で動いた瞬間のピーク値なんです。
日立のR-HWS47Nも電動機95W+電熱装置155W、R-HW60K/R-HW52Kは85W+214W/184Wと、どれもピーク寄りの数字です。日立のQ&Aページでも、R-HX60Nの電気代目安は「年間254kWh×31円=7,874円」という一次情報だけで示され、実際の消費電力量は使い方や設置環境で増減すると注記されています。資源エネルギー庁の統一省エネラベルも、年間消費電力量(kWh/年)と単価27円/kWhをかけた年間目安料金で表示する制度です。資源エネルギー庁の省エネ性能カタログ2024年版(定格内容積別比較、データは2023年度実績)でも、301〜350Lの冷蔵庫は年間343kWh、201〜250Lなら310kWhが目安です。つまり業界も「ピークのW」ではなく「年間の平均」で考えているわけです。だから私たちも、年間消費電力量から平均を逆算した数字を使います。そなえ暮らしの/calc/では冷蔵庫を35W(840Wh/日)、停電中は扉の開閉を抑えて6割の500Wh/日で計算しています。この記事もこの前提で進めます。
何時間動くかの基本計算式|容量(Wh)÷消費電力(W)
式はシンプルです。「容量Wh÷消費電力W=動く時間」。平常時なら35Wで割ります。1024Whなら1024÷35で約29時間です。
停電中は扉の開閉を控える前提で500Wh/日、時間あたりだと約20.8W。同じ1024Whで割ると約49時間、約2日分になります。ここ、意外と差が大きいですよね。
ただしポータブル電源はDC→ACに変換する際にロスが出ます。公式の数値は見つけられなかったので、実際はこの計算より少し短くなると考えておくのが安全だと私は思います。
容量別シミュレーション|1024Wh・2042Whで冷蔵庫は何時間動くか
1024Wh級のJackery 1000 New V3(定格出力1500W)やBLUETTI AORA 100 V2(定格出力1800W、サージ3600W、重量約11.5kg)なら、平常時で約29時間、停電時なら約49時間が目安です。
2042WhのJackery 2000 New(定格出力2200W)なら、平常時で約58時間、停電時で約98時間、ほぼ4日分です。容量が倍になれば時間もほぼ倍になります。シンプルですよね。
これは冷蔵庫だけを動かした場合の数字です。照明やスマホ充電も一緒に使うなら、当然もっと短くなります。家電をまとめて計算したい方はこちらの記事で容量の選び方を見てください。
何時間あれば家族とペットの夜を越せるか
約49時間あれば、停電の夜を2回は越せる計算です。でも、本当に知りたいのはそこじゃないですよね。「ミルクは足りる?」「ペットの水は大丈夫?」ーーこっちが本音だと思います。
赤ちゃんがいる家庭はミルク・離乳食の備蓄記事、ペットがいる家庭はペットの防災グッズ記事も合わせて見ておくと、冷蔵庫の時間と備蓄の日数がつながります。49時間で足りるか、ちょっと心配な家庭は次の章で容量を見直しましょう。
ペットだけで留守番させる時間にエアコンも動かしたい方は、留守番中の停電とエアコンを動かせる時間の記事も見ておくと安心です。
何時間欲しいかから容量を逆算して選ぶ
選び方は「停電から復旧まで何時間を想定するか」を先に決めることです。私はここ、順番を間違えると後悔すると思っています。
1泊2日くらいの想定なら1024Wh級で足ります。3日以上を考えるなら2042Wh級が安心です。逆に、冷蔵庫以外にほとんど何も動かさないなら2042Whは正直もったいないかもしれません。
容量が足りないと感じたら、拡張バッテリーで延ばす方法もあります。拡張バッテリーの記事で延長日数を確認してください。UPSのように自動で切り替えて使いたい方は切替時間の記事も参考になります。
結論:まず自分の冷蔵庫と容量で計算してみる
まずやることは1つです。自分の家の冷蔵庫の年間消費電力量を、本体の省エネラベルで確認してください。そこから1日の平均Wを出せば、この記事の式そのままで時間が出ます。計算してみると、意外と答えはシンプルです。
