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リビングの壁掛けエアコンとポータブル電源(画面に100%表示、複数コンセント・USBポート付き)がケーブルで接続されている様子。消費電力・定格出力・使える条件の目安のアイコンと、タイトル文字が入っている。

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停電でエアコンは動くのか。先に結論を言うと

停電の夜、エアコンが使えたらどれだけ楽か。そう思ったこと、ありませんか?先に言うと、家庭用のポータブル電源でルームエアコンを動かすのは、正直かなり厳しいです。窓用エアコンのような消費電力の小さい機種なら、条件次第で可能性が出てきます。ここで見るべきは容量(Wh)ではなく、瞬間最大出力(W)です。これ、地味に見落としがちなポイントなんですよね。読み違えると、買ったあとに「動かない」とがっかりすることになります。私は現場で設備の電力トラブルも見てきましたが、この読み違いは本当によくあります。

エアコンの消費電力は畳数でこれだけ変わる

パナソニックの公式仕様を見ると、6〜9畳用ルームエアコンCS-224DFLの冷房時定格消費電力は635Wです。床置き形だと、10畳用620W、14畳用1060W、18畳用2360Wと畳数に比例して増えていきます。数字だけ並べられても、正直「で、うちはどれ?」となりますよね。リビング用の大きいエアコンと、子ども部屋の小さいエアコン。必要な電力はまったく違います。どちらを動かしたいか、ここで一度はっきりさせておくと、後の判断がけっこう早くなります。

問題は定格ではなく起動時。瞬間最大出力との関係

エアコンは、コンプレッサーが動き出す瞬間に電流が跳ね上がります。運転中よりも多くの電流を、一時的に必要とするからです。日立の公式FAQでも、エアコンが使う電流は運転内容によって変わるため、カタログには運転電流の最大値を載せていると説明しています。では、起動時にどれくらい電流が増えるのか?正直、ここは私も断定できませんでした。公式サイトで統一した倍率を確認できなかったからです。無理に数字を作るより、分からないと書くほうが私は誠実だと思います。だからここからは「瞬間最大出力」という公式スペックの比較で判断します。

この定格出力と消費電力の見方は、電子レンジを検討するときも同じなので、電子レンジとポータブル電源の記事も読んでおくと判断が早くなります。

窓用エアコンなら現実的、ルームエアコンは機種次第

コロナの窓用エアコンCW-1624R(4〜6畳用)は、消費電力545〜625Wです。これくらいならJackery ポータブル電源 2000 New V2(定格2200W・瞬間最大4400W)なら、起動にも対応できる可能性があります。BLUETTI AC200MAX(定格2200W・瞬間最大4800W)も、公式サイトにこの数字が明記されているので、窓用エアコンの起動には十分届く候補です。一方、14畳・18畳クラスのルームエアコンになると、話はまったく変わってきます。Jackery ポータブル電源 3600 Plus(定格3000W・瞬間最大6000W)クラスでなければ、正直現実的ではありません。AC200MAXの瞬間最大出力4800Wは、この6000Wには届かないため、大きいルームエアコンを動かしたいなら候補から外したほうが無難です。なお、BLUETTI B300Kは単体ではAC出力を持たない拡張バッテリーで、AC200L・AC200MAX・AC300・AC500などの本体に接続して初めて使える仕組みです。本体なしでB300Kだけを選んでも家電は動かせないので、検討する場合は接続先の本体とセットで考え、その本体側の瞬間最大出力を公式サイトで確認してください。

定格出力とワット数で判断するという同じ考え方は、電気ケトルは使えるかの記事でも使っているので、気になる方は見てみてください。

この条件なら私は勧めない。代わりにできること

リビング全体を冷やしたいなら、ポータブル電源より発電機や窓用エアコン単体のほうが現実的です。詳しくは発電機とポータブル電源の違いで比較しています。子どもやペットがいる家庭なら、停電中は送風・保冷剤・換気で体温管理するほうが、地味ですが確実です。エアコンにこだわって高額機種を買うより、そちらを優先したほうがいいご家庭も多いはずです。

この方向に切り替えると、必要な電源はぐっと小さくなります。扇風機やサーキュレーターはエアコンに比べて消費電力がはるかに小さいので、ここで見るのは瞬間最大出力ではなく容量(Wh)のほうです。長く回せるかどうかが基準になります。エアコンを動かすための大型機は要りません。小容量の機種で足ります。私なら、動かないかもしれない高額機を買うより、確実に一晩回せる小さい1台を選びます。

同じ容量(Wh)の考え方は加湿器を選ぶときにも使えるので、加湿器は何時間使える?の記事も参考にしてみてください。

それでも検討するなら、この基準で選ぶ

瞬間最大出力が、使いたいエアコンの消費電力を上回っているか。ここだけは確認してください。小容量の機種ではエアコンは動きません。畳数と、何に使うエアコンかで機種グレードは変わります。冷蔵庫の起動電力にも似た論点があるので、ポータブル電源で冷蔵庫は使える?も合わせて確認しておくと判断がぶれません。容量の基礎から知りたい方は防災用ポータブル電源は何Wh必要?へ。まずは手元のエアコンの消費電力を、仕様書で確認する。それが今日やることです。

備前まもる|そなえ暮らし編集長

建物管理・消防設備点検に携わる現役管理職。家庭向け防災用品を必要性・実用性・維持管理の視点から調査しています。