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台風が近づいてから慌てて買い出しに走ると、欲しい物はもう売り切れています。そうこうしているうちに風雨が強まり、外に出ることそのものが危険になってきます。「まだ大丈夫だろう」――そう思っているうちに動けなくなった、という話は現場でもよく耳にします。正直、これは他人事じゃないと思うんです。だから私は、天候が落ち着いているうちに準備を始めることをお勧めします。

この記事では、台風接近の24時間ほど前から家庭で確認しておきたい項目を、時間の流れに沿って整理しました。では、何から始めればいいのでしょうか。台風の進路や強さ、地域の地形、自治体が出す避難情報によって、取るべき行動は変わります。実際の場面では、気象庁や自治体が出す最新情報を優先してください。

最初に確認する3つの情報

1.台風の進路と警報・注意報

テレビやSNSで流れてくる断片的な情報だけで判断するのは、正直おすすめしません。気象庁の台風情報、警報・注意報、雨雲の動き、「キキクル」を自分で確認しましょう。大雨、洪水、土砂災害、高潮――自宅付近の危険度が今どう変化しているか。そこを見ることが何より重要です。地味に手間ですが、ここを飛ばすと判断を誤ります。

2.自宅周辺の災害リスク

ハザードマップ、実はちゃんと見たことがない人も多いのではないでしょうか。国や自治体のハザードマップを開いて、洪水、内水氾濫、土砂災害、高潮の想定区域を確認してください。自宅が危険区域に入っている場合、これは軽く見ない方がいいと思います。雨風が強くなる前に動けるよう、避難先と経路を家族で共有しておきましょう。

3.自治体の避難情報

避難情報は市区町村が発令します。防災行政無線だけに頼らず、自治体の防災メールやアプリ、公式サイトなど、複数の手段で受け取れるようにしておきましょう。高齢者や乳幼児、障害のある方など、避難に時間がかかる家族がいるなら、早めに動ける準備をしておきたいところです。うちも子どもがいるので、ここは人ごとではないと感じます。

24時間前までに行うこと

屋外の飛ばされやすい物を片付ける

ベランダや庭にある植木鉢、物干し竿、サンダル、掃除用品、収納ボックス。これらは風で飛ばされない場所に移してください。排水口や側溝に落ち葉やごみが詰まっていないかも、天気が穏やかなうちに見ておきましょう。地味に忘れがちなんですよね、ここ。

屋根や高い場所に上る作業は、転落の危険があります。風が出てから無理をするのは、私ならやりません。安全にできない場所は、専門業者に相談してください。

浸水対策用品の候補

吸水後の重さ、置き場所、使用期限、使ったあとの処分方法。この四つは、風雨が強くなる前に確認しておきたいところです。

水で膨らむ吸水土のう

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停電に備えて充電する

スマートフォン、モバイルバッテリー、充電式ライト、ポータブル電源。使う物は早めに充電しておきましょう。乾電池を使うラジオやライトは、電池が液漏れしていないか、使用期限も切れていないか、この機会に見ておくと安心です。必要な容量の考え方は「防災用ポータブル電源は何Wh必要?使う家電から考える容量の選び方」でも解説しています。モバイルバッテリーとの使い分けに迷う方は、「停電時のスマホ充電|モバイルバッテリーとポータブル電源の選び分け」も参考にしてください。

家族の人数に対して、充電手段は足りているか。停電時に誰がどの機器を使うか。ここ、正直後回しにしがちなんですよね。先に決めておくと、電池残量の管理がぐっと楽になります。

発電機を使うか、ポータブル電源で足りるかで迷ったときは、発電機とポータブル電源の違いも参考になると思います。

停電対策用品の候補

点灯時間、充電方法、PSE表示。届いたら使う前に、一度充電して動作確認をしておいてください。ここを省くと、いざという時に動かない、なんてことも起こります。

充電式LEDランタン

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水と食料を確認する

政府広報は、飲料水を1人1日3リットル、食品を最低3日分から1週間分備えるよう案内しています。1人1日3リットルと言われても、ピンとこないですよね? ペットボトル(2リットル)1本半を、家族の人数分と考えると分かりやすいのではないでしょうか。台風の間は物流や店舗の営業が止まることもあるため、普段食べている食品を少し多めに買い、古いものから使うローリングストックが現実的です。保存水と普段の水の使い分けは「保存水と普通の水の違い|備蓄用の選び方と保管場所」で解説しています。

カセットコンロを使うなら、本体の状態と指定ボンベの本数を見ておきましょう。詳しい選び方と備蓄本数は「防災用カセットコンロの選び方|ボンベの必要本数と保管時の注意」で確認してください。室内で使うときは換気をしてください。テントや車内など、換気できない狭い場所では使わないでください。

ちょうどこの記事を書いている2026年11月2日、政府は防災庁を発足させ、同じ日に「事前防災徹底のための緊急要請」を全国民に向けて出しました。中身は、防災基本計画が従来から示してきた「最低3日、できれば1週間分」の水・食料の備蓄ラインを、改めて強く打ち出すものです。南海トラフ地震や首都直下地震など大規模災害への懸念を踏まえた呼びかけであり、何かが近く起きると予知するものではありません。携帯トイレなど生活用品の備えについても、同じ要請の中で触れられています。

薬・衛生用品・乳幼児用品をそろえる

常用薬、お薬手帳、マスク、ウェットティッシュ、簡易トイレ、生理用品、紙おむつ、液体ミルク。家族に必要な物を、一度リストにしてみてください。台風が通過したあとも、すぐには買い物に行けないかもしれません。数日分の余裕を持たせておくと安心です。持出品を一から見直したい方は、「防災セットは自分で揃える?市販セットとの違いと選び方」も参考にしてください。

断水対策用品の候補

使用回数、凝固剤の保存期間、排便袋と防臭袋の有無。ここは商品ページでしっかり確認しておきたいところです。

スツーレ 簡易トイレ

スツーレ 簡易トイレ・凝固剤セット

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12時間前までに行うこと

冷蔵庫と冷凍庫の対策

停電に備えて、保冷剤や水を入れたペットボトルを凍らせておきましょう。冷蔵庫の中は詰め込みすぎず、冷凍庫は食品をまとめて冷気を保ちやすくします。停電したあとは、扉の開け閉めをできるだけ減らす。これだけでも、中身が持つ時間は変わってきます。地味に効くので、ここはやっておいて損はありません。

停電が長引きそうで発電機も検討するなら、カセットガス発電機とガソリン発電機の違いは別の記事で整理しています。

停電した時間や室温、食品の種類によって、安全性は変わります。においや見た目だけで「大丈夫そう」と判断するのは危険です。長く常温に置かれた食品や、少しでも不安を感じる食品は、思い切って処分してください。

非常持出品を取り出せる場所へ移す

非常持出袋、ヘルメット、雨具、運動靴、ライト、モバイルバッテリー、現金、身分証明書の控え。これらを玄関付近にまとめておきます。ただし、浸水の可能性がある住宅では、床に直接置かないでください。高い場所で管理するのがポイントです。置き場所に迷ったら、「防災リュックの置き場所|玄関・寝室・収納で迷ったときの選び方」も参考にしてみてください。

車と自転車を安全な場所へ移す

浸水が想定される場所や、河川の近くに車を置いているなら、天候が悪くなる前に安全な場所へ移すことを考えてください。道路が冠水してから車を動かすのは、本当に危険です。自転車や屋外の用品も、倒れたり飛ばされたりしないよう固定するか、屋内に入れておきましょう。

家族の連絡方法を確認する

家族が別々の場所にいるとき、どう連絡を取るか。集合場所や避難先も、この機会に決めておきましょう。電話がつながりにくくなる場面を想定して、災害用伝言サービスの使い方も、家族で共有しておくと心強いです。

6時間前からは避難判断を優先する

雨風が強まったら、片付けや買い出しより、まず自分と家族の安全を優先してください。河川や水路、海岸、崖の近くに、様子を見に行くのはやめましょう。「ちょっと見てくるだけ」が一番危ないんです。冠水した道路では、側溝やマンホールの位置が見えなくなります。

自治体から避難情報が出たら、その内容に従ってください。危険を感じたとき、夜間に状況が悪くなりそうなとき。こういう場面では、次の情報を待ち続けるより、明るいうちに動くことも考えてほしいと思います。迷ったとき、私なら動きます。

情報収集用品の候補

AM・FMの受信、乾電池対応、充電方法、ライト機能。この辺りを確認したら、平常時に一度、地域の放送が入るか試しておいてください。

手回し充電対応の防災ラジオ

手回し・ソーラー・USB・乾電池対応 防災ラジオ

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自宅で過ごす場合の最終チェック

ここまでの項目を、出発前にもう一度まとめて確認できるよう、リストにしました。一つずつ声に出して確認する、くらいでちょうどいいと思います。

  • スマートフォンと充電機器の充電が完了している
  • ライト、ラジオ、乾電池をすぐ使える
  • 飲料水、食品、簡易トイレが家族分ある
  • ベランダや庭に飛ばされる物が残っていない
  • 窓や雨戸を閉め、カーテンも閉じている
  • 冷蔵庫の保冷対策ができている
  • 避難先と避難経路を家族が把握している
  • 自治体の防災情報を受け取れる
  • 常用薬や乳幼児用品をすぐ持ち出せる
  • ペットのフード、ケージ、リード、排泄用品を用意している

全部にチェックが付いたら、あとは天候の変化を見ながら過ごすだけです。逆に、一つでも埋まっていない項目があれば、そこだけ先に片付けておきましょう。

台風通過後もすぐ外へ出ない

雨や風が弱まっても、河川の増水、土砂災害、倒木、切れた電線。こうした危険は、まだ残っています。自治体や気象庁の情報を確認して、安全が確認できるまでは、不要な外出を控えてください。「もう大丈夫だろう」が一番危ういタイミングだと、私は思っています。

建物や家財に被害が出たときは、安全を確保したうえで、写真や動画を残しておきましょう。あとの保険や罹災証明の手続きで、役立つことがあります。ただし、危険な場所に入ってまで撮影するのはやめてください。

まとめ

台風への備えは、雨風が強くなる前に終わらせる。これが基本です。24時間前には屋外と備蓄、12時間前には停電・持ち出し・連絡手段、6時間前からは避難の判断。この順番で進めれば、慌てずに動けるはずです。

台風の状況や、地域の災害リスクは、そのたびに違います。家庭用のチェックリストは、一度作って終わりにしないでください。家族構成や季節に合わせて見直しながら、気象庁と自治体の最新情報を確認して、早めに動いていただければと思います。

備前まもる|そなえ暮らし編集長

建物管理・消防設備点検に携わる現役管理職。家庭向け防災用品を必要性・実用性・維持管理の視点から調査しています。