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「玄関に置いておけば、とりあえず安心」。そう思いたくなりますが、実はそれだけでは言い切れません。扉がきちんと開くか、倒れた家具で通路が塞がれないか、家族が自分で取り出せるか。この三つで、適した場所は変わってきます。
この記事で決めるのは、持ち出し袋の置き場所だけです。水や食料の自宅備蓄は、別で考えます。持ち出し袋を、自宅の備蓄を全部詰め込む場所にしない。それが出発点です。正直、置き場所ひとつでここまで迷うとは思っていませんでした。
自宅備蓄としては、カセットコンロとボンベも検討の余地があります。保管の注意点は、カセットコンロの選び方にまとめました。
置き場所を選ぶ四つの基準
- 取り出すときに物を何個も動かさずに済む。
- ドアの開閉と人の通り道を妨げない。
- 中身の食品や電池製品の保管条件に合う。
- 家族が場所と担当する袋を知っている。
この四つは、あくまで家庭で比較するための基準です。建物の構造や家具の配置によって危険の出方は変わるので、特定の場所の安全を保証するものではありません。「じゃあ、結局どこが一番いいの?」と思われるかもしれませんが、正直、ここは迷うところです。地味にしんどいポイントだと思います。私なら、この四つを自分の家に当てはめて、一番当たり外れが少ない場所から決めていきます。
玄関・寝室・収納を比べる
| 場所 | 利点 | 確認する点 |
|---|---|---|
| 玄関の室内収納 | 外へ出る動線で取りやすい | ドアが最後まで開くか、靴箱の物が落ちないか |
| 寝室の取りやすい場所 | 就寝中でも所在が分かる | ベッドから出口まで塞がないか、家具転倒の影響 |
| 廊下近くの収納 | 日常の通路を広く保ちやすい | 扉が開くか、奥へ押し込んでいないか |
共用の廊下や階段は、置き場所の候補に含めません。室内でも、ドアストッパー代わりにリュックを置いたり、上から重い物が落ちてくる棚に載せたりする配置は避けてください。まずは出口まで安全に移動できることを優先しましょう。ここだけは、譲っていただきたくないところです。
家具の転倒防止そのものは、固定方法の選び方で別に書いています。
灯りや履物も、リュックとは別の取りやすい場所に
リュックを取りに行くまでの間に、灯りや履物が要る場面もあります。就寝場所から手が届く位置など、普段の生活動線に合わせて置き場所を考えてみてください。停電で真っ暗になった部屋を歩くのは、正直かなり怖いです。思っている以上に、何も見えません。散らばった物を踏んでケガをしないよう、平時のうちに家具や配線の配置も見直しておきましょう。
ただ、小物をあちこちに分散させすぎると、今度は点検漏れが心配になります。「持ち出し袋」「寝室」「自宅備蓄」のように一覧にして分けて記録しておくと、どこを確認すればいいか把握しやすくなります。地味な作業ですが、ここをやっておくと後が楽です。
持ち出し袋に、自宅用の備蓄を全部詰めない
東京都の防災資料は、非常用の持ち出し袋と自宅での備蓄を分けて準備する考え方を示しています。持ち出す物は家族の事情に合わせて、実際に運べる重さと量にしておきましょう。
ペットがいる家庭の持ち出し品は、ペットの防災グッズで別にまとめています。
「何キロまでなら大丈夫」という一律の目標を決めるより、実際に背負って、持ち上げてみてください。無理がないか、自分の身体で確かめるのが一番です。乳幼児を抱えている人、杖を使う人では、両手の使える自由度も変わってきます。役割を決めておいても、その人が家にいないときはどうするか。地味に見落としがちですが、そこもあらかじめ残しておきたいところです。
家族何人分の持ち出し袋が要るかで迷ったら、家族の防災セットは何人分必要かも参考にしてみてください。
買う前に、収納の寸法とリュックの中身を照合する
セットを買うなら、商品画像の印象だけで決めないでください。リュックの寸法、中身、届いたあとに自分で詰め直す必要があるかどうかまで確認しましょう。見た目だけで選ぶと、あとで「あれ、収納に入らない」となりかねません。自宅の収納に収まることと、必要な物がしっかり入っていること。この両方が揃って、はじめて「使える」セットになります。
セットを使うか迷う場合は、防災セットは自分で揃える?市販セットとの違いで手持ち品と不足分を整理できます。
一人暮らしで何から揃えるか迷う場合は、一人暮らしの防災グッズの記事も参考になります。
置いたら「扉を開ける・持つ・戻す」を試す
置き場所を決めたら、机上で終わらせず、実際に試してみましょう。私なら、次の四つを順番に確認します。
- 収納と玄関の扉を通常どおり開閉し、袋が当たらないか確認する。
- 他の物を積み直さず、袋を取り出せるか確認する。
- 背負って室内を歩き、重さやベルトを確かめる。
- 家族にも場所を伝え、元へ戻せるか確認する。
暗い場所や階段で、無理な訓練をする必要はありません。明るくて安全な状態で点検して、引っ越しや家具の移動、家族構成の変化があったときに、またやり直せば十分です。これくらいで大丈夫です。
よくある質問
車の中へ置いてもよい?
車内は高温になることがあり、食品や電池製品の保管条件に合わない場合があります。それに、車そのものが使えない場面もあります。「車に積んでおけば安心」とはいかないので、家庭の持ち出し袋をすべて車に集約する前提にはしません。
見える場所へ置くと生活感が気になる
収納の手前に専用のスペースを作るなど、しまってもすぐ取り出せる方法を考えてみてください。目隠しのために荷物を重ねてしまうと、結局取り出しにくくなります。それより、場所を固定して家族で共有することを優先しましょう。
置き場所は、家族が使えるかで決める
「玄関か、寝室か」。正解を探しているうちは、なかなか決まりません。それより、自宅で実際に取り出す動作を試したほうが、ずっと判断しやすくなります。今日できることは、一つだけです。候補の場所に置いてみて、扉と通路と重さを確かめる。それで十分です。私なら、今日中にそこまでやってしまいます。
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