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マンションの室内に、水や食品、防災用品を分けて収納したイメージ

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※アイキャッチ画像はAI生成のイメージです。実際の商品・付属品・設置環境とは異なります。

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マンションの備えは、防災セットを一つ買えば終わり、というわけにはいきません。停電でエレベーターが使えなくなることもありますし、トイレに水を流せなくなることもあります。だから、自宅で使う物と、避難するときに持ち出す物は分けて考えます。

この記事では、室内の収納が限られるご家庭向けに、備蓄を整理する順番を紹介します。正直、収納スペースの悩みは私自身もよく分かります。ただ、在宅避難を続けられるかどうかは、建物の被害や周囲の状況によって変わります。ここは、避難情報と管理者の案内を必ず確認してください。

一人暮らしの場合の備え方は、一人暮らしの防災グッズと置き場所で別に整理しています。

最初に「自宅で用意する物」と「共用備蓄」を分ける

共用倉庫に備蓄があるからといって、安心しきるのは早いです。各住戸の必要量がすべて揃っているとは限らないからです。数量だけでなく、使える条件まで確認しておきましょう。「あるはずだから大丈夫」——この考え方は、正直おすすめしません。分からない物は計算に入れず、管理組合や管理会社に問い合わせるのが確実です。私なら、まず電話一本で聞いてしまいます。

確認すること 確認する相手・資料
共用備蓄の内容と世帯への配布方法 防災マニュアル・管理組合
倉庫の開錠方法と担当者不在時の対応 管理会社・防災担当
停電時の給水設備・エレベーターの扱い 建物の設備案内
排水設備の確認・トイレ使用再開の連絡方法 管理者の災害時ルール

水・食料・トイレを、家族の人数で確認する

水は飲料と調理用を合わせて、1人1日約3Lが目安です。2人で7日分なら42L。思ったより多いな、と感じませんか。しかもこれ、手洗いなどの生活用水は十分に含まれていません。家族の事情や保管条件も踏まえて、準備しておきましょう。

赤ちゃんがいる家庭は、ミルクや離乳食の分も変わってきます。赤ちゃんの防災備蓄リストも見てみてください。

出典:農林水産省「水の備蓄」

種類 自宅で確認する内容
水・食料 普段食べる物、調理に必要な水、加熱せず食べられる物
携帯トイレ 凝固剤と処理袋の回数、使用後の保管用品
照明・充電 部屋を照らす灯り、手元の灯り、対応ケーブル
個人用品 常用薬の相談・管理、眼鏡、生理用品、乳幼児用品など

地震では断水だけでなく、排水管が壊れることもあります。水が出ているからといって、建物の案内を確認せずにトイレに流していいとは限りません。ここは勘違いしやすいところだと思います。袋を使う携帯トイレも、合わせて備えておきましょう。

使用後の携帯トイレ、どう保管すればいいか迷いませんか。使用済み携帯トイレの保管・臭い・捨て方で詳しく書いています。

出典:東京都「東京くらし防災」トイレの備え

袋式と便器付き、どちらが自分の家に合うかは、防災用トイレの選び方|凝固剤・処理袋と折りたたみ便器の違いで整理しています。

防災庁は2026年11月2日の発足と同日、「事前防災徹底のための緊急要請」を全国民に向けて発出しました。ここで示されている「最低3日、できれば1週間分の水・食料」「飲料水は1人1日3リットル」という目安は、新しい基準ではなく、防災基本計画が従来から示してきた線を、国として改めて強く打ち出したものです。内閣府の調査では、食料は約6割、飲料水は約7割の家庭が3日分以上を備えている一方、携帯トイレは3割に届いていません。マンションでは断水だけでなく排水管の被害で水が流せなくなることもあるため、携帯トイレの数量も合わせて見直しておきたいところです。

収納は「重い物を低く、使う場所の近く」を基本にする

ここからは、収納の提案です。大量の水を高い棚にまとめて置くより、低い位置に分けて置いたほうが、持ち上げる負担はかなり減ります。地味ですが、これ、重要なポイントです。ただし、棚の耐荷重と転倒防止、食品に適した保管環境は必ず確認してください。

置き場所の候補 向いている物 避けたい状態
低い収納棚 水・保存食品 棚の荷重超過、出口を塞ぐ積み方
トイレ近くの乾いた収納 未使用の凝固剤・処理袋 高温多湿、使用済み袋との混在
寝室の取りやすい位置 ライト・履物 家具が倒れると取り出せない位置
室内の避難経路付近 持ち出し袋 ドアの開閉や通路を妨げる配置

共用廊下や階段に私物を置くのは、そもそも前提にできません。ベランダも避難経路や隔て板の前を塞いではいけませんし、管理規約の確認は必須です。私なら、食品や電池製品の保管条件にも合う室内収納を優先して探します。

防災リュックと、自宅の備蓄を一緒にしない

水や食品の備蓄を全部リュックに詰め込むと、重くて持ち出しにくくなります。これ、やりがちなミスだと思います。リュックには移動時に必要な物、自宅の棚には滞在中に使う物を分けて置き、リストも別にしておきましょう。階段での移動を想定するなら、実際に背負って室内を歩いてみてください。無理なく扱えるか、ここで確かめておくと安心です。置き場所に迷ったら、防災リュックの置き場所|玄関・寝室・収納で迷ったときの選び方も参考にしてください。

不足品をまとめて用意したいなら、市販セットも候補になります。ただし「何人用」という表示だけを見て、水やトイレの必要日数まで満たせると判断するのは早計です。中身と数量は、自分の目で確認しましょう。

防災セットを自分で揃える場合と市販品の違いは、防災セットは自分で揃える?市販セットとの違いと選び方で確認できます。

よくある質問

収納が少なければ、最初は何から始める?

まずは、水・食料・携帯トイレの手持ちを数えてみてください。不足が大きい物から買い足すのが、私のおすすめです。日常で使う物を回転させながら、期限と置き場所を一枚の一覧にしておくと、重複購入を減らせます。

高層階ならポータブル電源は必須?

階数だけでは決まりません。まず、スマホ充電だけで十分なのか、ACコンセントの家電まで動かしたいのかを決めましょう。ここ、よく誤解されるのですが、家庭用の電源を用意しても、建物の給水設備やエレベーターを動かせるわけではありません。

今日の点検:買う前に三つのリストを作る

買い物リストを作る前に、まずこの三つを紙に書き出してみてください。私なら、ここを飛ばしていきなり通販サイトを開くことはしません。

  1. 自宅にある水・食品・トイレの数量を書く。
  2. 共用備蓄で確認できていない項目を書く。
  3. 不足品の購入先より先に、室内の収納場所を決める。

人数や生活が変わったとき、食品を入れ替えるときに一覧を更新すると、備蓄が使える状態を保ちやすくなります。地味な作業ですが、これを続けられるかどうかが結局いちばん大事だと感じています。

備前まもる|そなえ暮らし編集長

建物管理・消防設備点検に携わる現役管理職。家庭向け防災用品を必要性・実用性・維持管理の視点から調査しています。